自覚された天然 | サトウヒロシの日記

自覚された天然

事務所から実家が近いので、ご飯等は家で食べることが多い。
どんなに忙しくても家族そろっての夕食はこの生活環境の長所といえるだろう。

今日も、夜の打合せまで少し時間ができたので、
早めに仕事を切り上げて実家に帰った。
いつもどおりの夕食の後、私はそのまま食卓でお茶を飲んでいた。
父親はソファに寝転がりテレビを見ており、
母親は父親に何かを話しかけているようだった。

『どんな会話をしようか…』
ふと、後の打合せ内容について考えていたわけだが、
端からは湯飲みを見つめて、ぼーっとしているように見えたに違いない。

「…でね、うちのマンションは風には強いと思うのよ」
顔を上げると母親がこちらを向いて話していた。
マンション?
風?
なんだそれ?
文脈がまったく想像できない。
なんの話だ?
きっと「…でね、うちのマンションは風には強いと思うのよ」に
至るまではかなり長い話をしていたはずだ。

父親を見る。
先ほどと変わらずテレビを観ている。
どうやらこれは、最初から私に話しかけていたようだった。

「ごめん。最初からさっぱり聞いてなかったわ」
「あら!」と驚く母親。
「いや、ホントごめん!…っていうか、
ここまで聞いてないのって普通気付くやろ!」
ケタケタケタケタ!笑い出す母親。
「いーのよー!私、[天然]だからしょうがないのよ~♪」
続けて笑う母。

今自分のこと[天然]って言ったよこのひと。

2005年冬。これが佐藤家の日常。
我が家族ながら、ちょっと面白い。